こんにちは。中條公認会計士事務所です。
独立開業にあたっては、自己資金で足りている場合であっても、創業融資を受けておくことをおすすめします。
「独立開業するにあたって必要な資金は準備できている。だから、無借金経営で大丈夫だ。」そのように考えられる方もいらっしゃるかもしれません。設備投資や当座の必要資金を賄えるだけの準備をされているケースであっても、創業融資を受けておくことは、経営においてプラスの側面が大きいと思います。
独立開業で融資を受けた方が良い理由は、2つあります。
- 心に余裕を持った経営ができる。
- 次の融資が受けやすくなる。
では、1つずつ説明していきます。
・心に余裕を持った経営ができる。
独立開業当初からお客様がいっぱい来てくれて、商売繁盛となるケースは良いのですが、すべてが順調に進むとは限りません。お客様獲得に向けた宣伝費用などなど追加出費が必要となるケースは多いです。
日々減っていく預金残高と向かいあいながら、経営を続けていると心に余裕がなくなり、当初描いた夢の実現を遠ざけてしまうことになりかねません。
資金に余裕を持つことで、必要と判断した投資を積極的に行うことができ、結果として売上が少しずつ上がってくることで事業の発展へと繋がります。
この売上が少しずつ上がってくる期間(開業から1年程度)の資金繰りをしっかりと計算しなければなりません。資金繰りが最も厳しく、また売上が想定まで伸びてくれるのか不安な期間の資金繰りをきちんと計算し、必要な資金を保有しておくことで、心に余裕を持った経営ができます。
・次の融資が受けやすくなる。
独立開業して経営が軌道に乗ってくると、将来的に店舗を増やしたい、事業を他の地域にも拡大したいといったことがあります。
こうしたケースでは、融資を受けて事業展開をしていくことになると思います。ここで、「初めて融資を受けますが、よろしくお願いします。」というより、「独立開業時に創業融資を受けていて滞りなく返済しています。事業拡大したいため次の融資を受けたいです。」といった方が、銀行は開業当初の借入を1つの実績とみてくれて、次の融資が受けやすくなります。
次の融資をにらんだ場合においても、創業融資を受けておくことはプラスです。
創業時・独立開業時は、事業実績がない状態で融資を受けられる制度が準備されています。(事業の実績を問わず融資をしてくれるって、すごいことですよね!)
独立開業後6カ月以上経過しますと事業実績が出てきますので、それをもとに融資の可否を判断されてしまい、開業当初に融資を受けるよりも融資獲得のハードルが上がってしまいます。
ですので、独立開業時で自己資金に余裕があると考えられている場合であったとしても、創業融資を受けておいた方が良いです!